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自然写真愛好家として守るべきこと

水芭蕉を撮りに行ってきた。


場所は笠松峠から睡蓮沼方向に下りきったところの湿原。
湿原を踏み荒らさないように
笠松峠付近からヤブをこいで沢を越え、雪渓伝いに対岸の沢縁へ。

夜明けから撮影をしていたが、
明るくなってから湿原を突っ切ってくるカメラマンが数人いました。
最初の二人は声をかけたら引き返してくれました。

そのほかは気がついたらすでに・・・という感じ。

湿原は微妙なバランスの上に成り立っています。
下の写真では草が生えているのは、極薄い黒土のある範囲だというのがおわかりいただけると思います(水芭蕉はその限りではないようですが)。
それ以外は火山起源の砂礫です。
こんなところを人が踏み荒らしたらどうなるでしょうか?
裸地化が進行することでしょう。
まあ、この場所は水流の影響なのか、特に黒土が薄いようですが、
たとえもう少し黒土が暑いと思われる場所でも踏み荒らさない方がよいのは明らかでしょう。
森林の中と違って、回復が遅いのだから。



この場所は15年ぐらい前、スノーボーダーが踏み荒らしていた湿原です。
スノーボーダーはいつしか見なくなりました。
しばらくして今度はカメラマンが横行するようになりました。
湿原の縁には踏み跡がついていて、
道路からの降り口も容易にわかってしまいます。
カメラマンはデジタルカメラの普及で、数は圧倒的に増えていると思われますし、
急に減ることもないでしょう。
まあ、踏み跡についてはタケノコ採りの影響も相当あるでしょうけど。
この日は、湿原の真ん中付近のツツジの株に近づいて三脚を据える人も見かけました。
こうなるとカメラマンの方がたちが悪いような気がします。

みんな「いい写真を撮るために」湿原に踏み入るのでしょう。
しかし、いい作品を作るためにその素材を傷めるのは本末転倒です。
誰かがやっているのを見ると、真似をする人が現れます。
そうするとみんな、やってる人がいるからいいんだということになってしまい、
最期は取り返しのつかないことになりかねません。
尾瀬ヶ原はその最たるものでしょう。
身近なところでは、田代湿原も池塘のほとりに立ち入って写真を撮っている人をよく見かけます。
そのおかげで余計な看板が写り込むことがしばしばです。
長期的にみて、自分達の首を絞める行為は慎むべきじゃないでしょうか?

自然写真愛好家は、なんのために自然の写真を撮るのか?
その答えを矜恃としたいものです。

帰りの雪渓で。ムラサキヤシオの紅一点が緑に映える。



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非公開コメント

No title

ホント、そう思います。
自分もそうならないように気を付けます。

Re: No title

> ホント、そう思います。
> 自分もそうならないように気を付けます。
HIROSHIさん、

湿原に踏み入っているのは、ベテランカメラマンの方々らしいです。
簡単に行けるところは開発され尽くしてるように見えるので、
新たな撮影地を求める気持ちはわかるんですが・・・
自然の中で遊ばせてもらっている、
だから自然のキャパシティを越えないように、
そういう気持ち気持ちを忘れないようにしたいです。
ここ1週間の出来事で、有名撮影地での撮影は
意欲が湧かなくなりつつあります。
プロフィール

Arbentroot

Author:Arbentroot
本当はAbendrotで行きたかったんですが、こちらでは既に使ってる方がおられたので仕方なく・・・・

 仕事の資料写真を撮るのにデジタル一眼を探していた2006年夏、今はなき「ASAHI パソコン」の記事を見て、FOVEONセンサーの存在を知る。「ローパスフィルターなしの先鋭な画像」に惹かれて、オークションでSD10を入手。それ以来写真の魅力にはまって、現在に至る。

主に八甲田・奥入瀬・十和田湖を撮影フィールドにしています。(ほかにも行きたいけどなかなかいけないだけです。)

使用カメラ SIGMA SD15 SD10 DP1 DP2s

 SIGMAのヘビーユーザーですが、高感度とか、ダイナミックレンジなどでCANONやNIKONのフルサイズ機に憧れてます。

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